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ダークパターンのデザインとは?

こんにちは、hiroです。
以前、あるECサイトで商品を注文する際に、注文確定ボタンを押していたつもりで、サブスクリプションの登録ボタンを押していたことがありました。
サブスクリプション登録のボタンが目立っていたため、注文確定ボタンと勘違いしてうっかり押してしまったようです。
気がついたのは購入から数ヶ月が過ぎたタイミングで、無駄な支出をしてしまった、と残念な思いをしました。

ダークパターン例
うっかり押したボタンのデザインイメージ

このような「消費者が気付かない間に不利な判断・意思決定をしてしまうよう誘導する仕組みのウェブデザイン」の手法を「ダークパターン」と呼びます。

経済協力開発機構(OECD)はダークパターンを7つの類型に分類しています。

  1. 強制
    例:ユーザー登録や有料サブスクリプション登録を強要する
  2. インターフェース干渉
    例:事業者に都合のよい選択肢を事前に選択している、視覚的に目立たせている
  3. 執ような繰り返し(ナギング)
    例:通知や位置情報の取得など事業者に都合のよい設定に変えるように何度も要求する
  4. 妨害
    例:サービスを解約しようとしても解約の方法がわかりづらかったり煩雑である
  5. こっそり(スニーキング)
    例:取り引きの最後、気付かないうちに手数料を追加する、トライアル期間後に自動で定期購入に移行する
  6. 社会的証明
    例:ほかの消費者のうその感想や行動などを通知する
  7. 緊急性
    例:うそのカウントダウンタイマーや、在庫が少ない、需要が高いなどの表示

私が体験したECサイトのボタンの例は上記の「2.インターフェース干渉」に該当しそうです。

海外ではダークパターンを厳しく規制する動きがあります。例えば、下記のような規制です。

2022年  9月 アメリカ 米国連邦取引委員会(FTC)がダークパターンの具体例や訴訟事例を紹介したレポートを公表
2022年10月 EU デジタルサービス法を採択
2023年11月 インド ガイドラインを発表 13種類の具体例を示して規制
2025年  1月 韓国 ダークパターンを規制する法律を施行

国内では、現時点(2025年6月)ではダークパターンに関する明確な定義や直接的な規制はありませんが、「一般社団法人 ダークパターン対策協会」が2024年に設立され、ダークパターンではない、適切な対応を行っている企業を認定する制度を始めようとしています。

Webサイトを制作する側として考えると、悪意はなく、消費者の購入を促すデザインを追求しすぎた結果、ダークパターンになってしまうケースがあるかもしれないと思いました。
「このデザインは消費者をあざむいていることにならないか」という視点を忘れずに制作したいものです。